Lab SCOPE 2023 Vol. 65

撮影場所
琵琶湖 姉川の河口付近（滋賀県長浜市）

滋賀県彦根市で生まれ育った私にとって、琵琶湖は故郷そのもの。
85歳を過ぎたいまも、年に何度か訪れて野鳥を撮っています。
表紙は、10月末に撮影したサギ。秋になるとサギの大群のほか、川鵜や鳶が姉川の河口に集まってきます。狙いは産卵のために遡上する鮎です。天気のいい日中に鳥たちはお腹がいっぱいになるまで食べて、夜は付近の森をねぐらにします。
目次の写真は、2月に撮影したコハクチョウです。11月頃になると、ロシアの北極圏で繁殖した約500羽のコハクチョウが、越冬のために琵琶湖に飛来して子育てをします。コハクチョウの寿命は20年ほどで、つがいになると一生添い遂げるようです。行動するときは家族単位で、親の合図で一緒に飛び立ったり、ともに餌をついばんだり。情が深く、日がな一日見ていて飽きません。

（撮影・文　田井中道夫）